「血糖値」とは
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことです。食事で摂取した糖分は腸から吸収されて血液中に入り、全身の細胞でエネルギー源として利用されます。通常、血糖値が上昇すると膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌されて、血糖値を適切な範囲に保ちます。
食前血糖値
食前血糖値(空腹時血糖値)とは、10時間以上食事を摂らず、空腹の状態で測定した血糖値のことです。
空腹時は1日のうちで最も血糖値が低くなる時間帯であるため、糖尿病の診断や治療効果の判定に用いられます。
食後血糖値
食後血糖値とは、食事をしてから2時間後に測定した血糖値のことです。
食事で摂取した糖質に対して、インスリンが適切に分泌されて、血糖値を下げる働きが正常に機能しているかを確認できます。
血糖値が高い
血糖値が高いとどうなる?
高血糖の状態が続くと、血液中の過剰なブドウ糖が血管を傷つけて、全身の血管に障害を引き起こします。
特に「糖尿病の3大合併症」である糖尿病網膜症(失明の原因)、糖尿病性腎症(人工透析の原因)、糖尿病性神経障害(手足のしびれや壊疽の原因)には注意が必要です。
血糖値が高い・上がると
現れる症状
血糖値が少し高い程度では、自覚症状がほとんどないのが特徴です。過度に上昇すると以下のような症状が現れます。
- 強い喉の渇き
- 頻尿・尿量の増加
- 脱水症状
- 体重減少
- 倦怠感
- 目のかすみ
など
血糖値が高い原因
血糖値が高くなる主な原因は、インスリンの分泌不足や「インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる状態)」です。1型糖尿病の方では自己免疫によりインスリン不足が起きます。
2型糖尿病の方では、運動不足、肥満、ストレス、偏った食生活などの生活習慣が関係しています。
血糖値が高いと言われたら
どうする?
健康診断などで血糖値が高いと指摘されたら、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。早期に治療を開始することで、必要な薬の量や食事制限を最小限に抑えられることが多いです。
血糖値が低い
血糖値が低いとどうなる?
低血糖とは、血液中のブドウ糖が正常範囲より低下した状態です。主に糖尿病の治療中に薬の作用が強く出すぎた場合や、過度なダイエット、激しい運動などで起こります。放置するとめまいや意識障害を起こし、重症化すると昏睡状態に陥ることもあるため、早めの対処が重要です。
血糖値が低いと現れる症状
- 冷や汗
- 動悸
- 手の震え
- 強い空腹感
- めまい
- 集中力の低下
- 倦怠感
- 意識障害
- けいれん
など
低血糖を何度も繰り返していると、体が症状に慣れてしまい、前触れの症状が出ないまま突然、意識障害を起こすことがあります。
血糖値が低くなる原因
糖尿病治療薬、インスリン注射によるコントロール
糖尿病の治療では、インスリン注射や血糖降下薬を使って血糖値をコントロールします。しかし、食事の量と薬の量が合っていなかったり、食事のタイミングがずれたりすると、血糖値が必要以上に下がってしまい、低血糖を引き起こすことがあります。
食生活の乱れ
不規則な食事や過度な食事制限も低血糖の原因となります。食事の間隔があきすぎたり、極端に炭水化物を控えたりすると、体に必要なエネルギーが不足しやすくなります。
アルコール摂取
アルコールを摂取すると、肝臓はアルコールの分解を優先するため、血糖値が下がった時に肝臓が糖を作り出す「糖新生」という働きが後回しになります。そのため、血糖値が上がりにくくなり、低血糖を起こしやすくなります。
激しい運動(エネルギー不足)
激しい運動や長時間の運動では、体が多くのエネルギーを消費します。エネルギー補給が不十分だと、運動中や運動後に低血糖が起きることがあります。
臓器の機能低下・ホルモン異常
腎不全や肝不全などの影響で、肝臓や腎臓が正常に働いていない場合、血糖値を保つための糖新生がうまく機能せず、低血糖を起こしやすくなります。
低血糖の対処法
低血糖の症状が現れたら、速やかに糖分を補給することが大切です。症状の程度に応じて、以下のように対処しましょう。
自分で対処できる場合
→糖分補給
低血糖により冷や汗や動悸、手の震えなどを感じたら、すぐにブドウ糖10g程度、またはブドウ糖を含むジュースを摂取します。
重度の場合→救急車を呼ぶ
意識がもうろうとしたり、けいれんを起こしたりしている場合は、周囲の人がすぐに救急車を呼んでください。