栄養障害が招く
「脚気(かっけ)」とは
脚気とは、ビタミンB₁が欠乏して起きる病気です。ビタミンB₁は炭水化物の代謝に関わる大切な栄養素であり、不足すると末梢神経障害や心不全を引き起こし、全身の倦怠感、食欲不振、手足のしびれ・むくみなどの症状が現れます。
現代も「脚気予備軍」に
要注意
インスタント食品中心の食事や野菜不足、清涼飲料水の多飲、アルコールの過剰摂取など偏った食生活をしている方では、潜在的にビタミンB₁が欠乏している「脚気予備軍」が増えていると言われています。
脚気が起こる
「ペットボトル症候群」
「ペットボトル症候群」とは、炭酸飲料や糖分が入った清涼飲料水を1日に大量に飲むことで、体内での糖分の分解に異常が起こり、糖尿病を発症する病態です。実はこの時もビタミンB₁ が大量に消費されるため、脚気の症状を引き起こすことが知られています。
脚気の症状チェック
- 息切れ・動悸がある
- 横になると苦しい
- 足や顔のむくみがある
- 体重が急に増えた
- 強い倦怠感がある
- 微熱のようなだるさが続く
- こむら返りが起きやすい
- 足のしびれや痛みがある
など
脚気の原因=ビタミンB₁の欠乏
脚気は、食生活の偏りなどによるビタミンB₁の欠乏が原因で起こります。ビタミンB₁は水に溶けやすく調理時に失われやすいうえ、体内に吸収されにくく、排泄もされやすいという特徴があります。
偏った食生活
清涼飲料水やインスタント食品に多く含まれる糖質を分解するには、ビタミンB₁が必要不可欠です。そのため、これらの食品を大量に摂りすぎると、分解にビタミンB₁が消費されて体内で不足して、脚気を引き起こすことがあります。
アルコールの過剰摂取
アルコールの分解には多量のビタミンB₁が使われます。そのため、お酒を大量に飲むとビタミンB₁が急速に消費されて、脚気を引き起こすことがあります。
脚気の検査
ビタミンB₁の欠乏が疑われたら、血液検査で血中ビタミンB₁濃度などを測定します。また、末梢神経障害の有無を調べるために、膝をハンマーでたたいて足が自然に跳ね上がるかを確認する「膝蓋腱反射」のテストを行うこともあります。
脚気の治し方
糖尿病の治療(糖尿病性・アルコール性末梢神経障害)
生活習慣の改善
血糖コントロールや禁酒、栄養バランスのとれた食事が治療の基本です。必要に応じて、ビタミンB₁などの栄養素を補充します。
薬物療法
内服などでビタミンB₁を補い、回復をはかります。痛みやしびれに対しては、鎮痛薬や抗けいれん薬、抗うつ薬などを症状に合わせて使用します。
オーソモレキュラー
当院では、オーソモレキュラー栄養療法を取り入れた脚気の治療を行っています。血液検査の結果に基づいて、栄養状態を詳しく分析します。検査結果をもとに、個人に合わせたサプリメントの処方や食事指導を行うことで、不足している栄養素を効果的に補充し、体の自然治癒力を高めて症状の改善を目指します。
よくあるご質問
おにぎりを食べると脚気になる?
白米中心の偏った食生活は、ビタミンB₁が不足しやすく、脚気になるリスクがあります。
忙しい現代の生活でも、おにぎりだけで食事を済まさず、おかずもしっかり食べて偏食を避けるようにしましょう。
白米以外にも脚気になりやすい食事はある?
インスタント食品や、糖質が多い食事・飲み物などもビタミンB₁を消費するため、欠乏しやすくなります。
また、飲酒によってもビタミンB₁を消費するため、やはりバランスの良い食事を心がけ、飲酒をする場合は適切な量に抑える必要があります。
脚気は何を食べればいい?
ビタミンB₁が多く含まれる食品には、豚肉、枝豆、うなぎ、玄米などがあります。
また、ビタミンB₁の吸収を高める「アリシン」という成分が含まれる玉ねぎ、ニラ、にんにく、ネギなどを食材に取り入れるとより効果的です。